マッキンゼーとApple出身。キャディのビジネスとテクノロジーの始まりである二人。
キャディの開発の想いを理解するためにその二つの始まりと関わり合い、
そしてこれからについて創業の物語を振り返りながら語りあってもらいました。
キャディという会社・経営視点でテクノロジーや開発とどんな風に向き合ってると思う?
「対等」。
(笑)
(笑)
すごい単純な(笑)
まあそうなんだけど、でも実際そういう言い方になっちゃう(笑)。対等という表現がいいかは分からないんだけど、トレードオフは常に意識しながら意思決定してるつもり。例えば、ビジネス側のこういう要件を取ったらこういう技術負債が溜まる、という両方の交換条件をきちんと意識しながら進めることは重要だと思ってる。だから、アキも継続的にビジネス側の議論に入ってるし、僕もずっと開発の議論に入っている。
いろんな人に「ビジネスと開発、どっちが強い?」ってめっちゃ聞かれるんだけど、ひたすらもう「バランスです。」と(笑)。
そんなに聞かれるんだ。
うん。「強いていうならどっち!?」 みたいな(笑)。
確かにキャディの場合はエンジニアの人もかなりビジネス上の戦略だったりオペレーションの仕組みの理解を求められるよね。
エンジニアの採用面接で候補者からよく聞くんだけど、超エンジニアドリブンで仕上げてしまうと、「出来上がったはいいけどやっぱりニーズがない」となった時に、結局自分が一番辛いっていうことがよくあるらしい。意外とそういう話がエンジニア側からよく出る。キャディの場合は、最初プロダクトを出さずにかなり手動でオペレーション回して、価値検証してから開発に移すというやり方をよくしているけど、それが結構特色なのかなと。
その傾向はどういうところから来てるんだろう?ビジネス側がちゃんと価値検証できる人たちだっていうことかな?
それもあると思うし、CEOとCTOがちゃんと対等に話せてるところかな?技術的に面白いかどうかは当然重要ではあるんだけど、それ以前にニーズが本来どこにあるのかとか、アキがビジネス側の議論にかなり入って、それ以外の代替手段が本当にないんだっけ?ということを常に考えている。
確かに最初にアキさんがお客さんやオペレーションの話にすごい詳しいなと思ったね。
まず社外に対してプロダクトを提供するという形ではなく、自分たちが受注側でも発注側でも実際にオペレーションを回しながらニーズをわかっていけるということも特徴としてあるよね。
それはやっぱり大きな特徴だよね。ひたすら価値検証やプロダクト改善においてドッグフーディングできる。
製造業は課題が複雑で、求められるカスタマイズ性が高すぎて難しいという側面があると思うんだけど、特にソフトウェアだと開発する側がまだまだアウトサイダーとしての関わり方しかできていなくて、事業側に踏み込みきれてないということは大きいと思うね。
インサイダーとしてやる。そういう意味で自然にビジネスと開発が内部で独特のバランスを取っているよね。
そうだね。
かなり面白い話が聞けたけど、まとめるの難しいな。
まあ、そういうことなんでいい感じでわかりやすくまとめといてよ。
いい感じで(笑)。
雑だな(笑)。
東京大学卒業後、2014年にマッキンゼーアンドカンパニーに新卒入社。 2年後の2016年に同社史上最年少でマネージャーに就任。シニアマネージャーとして、製造業の全社調達改革領域及びIoT/AI領域をリードするほか、グローバル戦略構築、新規事業策定などに従事。大手メーカー15社程度の調達改革に従事した結果、同分野への課題意識から2017年末にキャディ株式会社を創業。
スタンフォード大学・大学院にて電子工学を専攻。世界最大の軍事企業であるロッキード・マーティン米国本社で4年超勤務。ソフトウェアエンジニアとして衛星の大量画像データ処理システムを構築、JAXAやNASAも巻き込んでの共同開発に参画。その後、アップル米国本社にてハードウェア・ソフトウェアの両面からiPhone、iPad、Apple Watchの電池持続性改善などに従事した後、シニアエンジニアとしてAirPodsなど、組み込み製品の開発をリード。2017年11月に、キャディ株式会社を加藤と共同創業。